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アリウム

パフュームシリーズの栽培技術

ブルーパフューム
登録名称 札幌1号 登録番号 18296
スカイパフューム
登録名称 札幌2号 登録番号 18297

育成者権者名:独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

アリウム・パフュームシリーズは、カエシウム種(Allium caesiumu)とカエルレウム種
(Allium caeruleum)との交雑種である。鮮やかな青色のブルーパフュームと淡青色のスカイパフュームがあり、両品種とも花にバニラエッセンスに似た甘い香りを有する。
耐寒性があり、日本の北から南までのほとんどの地域での露地栽培が可能である。季咲きは暖地で5月、寒冷地では6月中下旬である。正常な開花を得るには5℃以下、ブルーパフュームで90日、スカイパフュームで60日程度の低温が必要とし、低温処理をすることにより開花調整が可能である。

~品種と特徴~

ブルーパフューム:濃青色、花序径80~90mm、花茎長60~80cm、
スカイパフューム:淡青色、花序径70~80mm、花茎長70~90cm、
開花はブルーパフュームの開花よりスカイパフュームのほうが若干早い。
両品種とも水上げは良好で2週間以上観賞できる。
小球開花性に優れ、球根直径7mm以上が開花球となる。

栽培条件

  • 日当たりが良く排水の良い場所。
  • 種苗の入手 球根で入手する。
  • 球根の直径7mm以上が開花可能球

栽培期間

  • 期間 季咲き露地栽培
  • 暖地 定植:9~10月 開花:5月下旬 堀上:7月
  • 高冷地 定植9月9月下旬 開花:6月下旬 堀上:8月

球根入手

納品時期は7月末~8月末頃

※到着後はすみやかに開封する。
※輸送箱に入れたままにすると腐敗する。

~栽培~

定植床の準備
土壌消毒を行う場合は、夏の間に完了させておく(十分にガス抜きをする)。
堆肥 300kg/aの割合で堆肥を打ち込む。定植直前の堆肥投入は避ける。タネバエなどの発生する恐れ有り。

施肥例

元肥 N:P:K=1kg:1kg:1kg/a(各成分量)の割合で打ち込む。
追肥 液肥を春先より2週間に1回の割合で潅水代わりに与える。
(Hyponex15-15-15 1000倍など) pHは6.0~6.5程度

定植間隔

  • 球根直径7mm~10mm球 10~12cm角フラワーネットで定植
  • 球根直径15mm~22mm球 12~15cm角フラワーネットで定植
  • ベッド幅 75~90cm 高さ20cm 通路60cm 6~8条植え
  • 定植球の深さ 地表より3cmのところが球根上部になるように定植する。

出芽・越冬

暖地・中間地での露地栽培の場合は、冬季は床にベタがけで不織布などを利用しで霜よけをすると葉を保つことが可能で生育を続ける。積雪地帯では出芽したまま積雪下とする。
気温が上昇し芽が生長し始める頃から、トンネルを作り防虫ネットをかける。

潅水

  • 露地の場合は初期に潅水するのみで後は極端に乾かない限り天水に任せる。
  • 施設での定植の場合は、初期は表土が乾いたら、頻繁に潅水し芽と根の生長を促す。
  • 9月下旬~10月上旬定植で季咲きの場合は、年内には芽と根が良く張り活着をする。
  • 季咲きの場合は定植時期が早いほど春から初夏に質の良い切花ができる。
  • 出蕾後 表土が乾いたら潅水する。

促成栽培と開花調整

低温により花芽分化が促進されるので球根の冷蔵処理を2℃で約60~90日行なう。
その後、施設内に定植、適宜暖房を行い早い時期に開花させる。
球根を-2℃で保存して定植時期をずらすことも可能。保存限界は2月頃までで、それを
越えると開花率が下がり草丈が短くなる。球根は10mm以上のものを使用する。

三重県・美里農場での開花時期(冬期10℃加温、3時間電照)

  • 9月上旬:冷蔵→10月下旬:定植→2月上旬~開花
  • 9月上旬:冷蔵→10月下旬:冷凍→1月下旬定植→4月/中旬:開花
  • 10/中旬・下旬:露地定植→5月中旬~開花 ・・・・露地季咲

病害虫防除

サビ病、黒斑病、その他ネギ類の病気、アブラムシ、スリップス、ネギコガ等に注意する。
ハウス栽培の場合は0.2mmの防虫ネットをハウス側面と入口に張り、害虫の侵入を
防ぐことを推奨する。

収穫と出荷

6~8分咲きで収穫・出荷する。ある程度咲かせたほうが綺麗に発色するが、花傷みを防ぐために
立て箱出荷などの工夫が望ましい。水上げは8時間ほど行う。

ブルーパフュームの開花進行

堀上 球根の管理

開花・出荷後に葉の色が黄色くなり始める。開花後1.5~2ヶ月後に掘り上げる。
通常栽培では球根は増殖する。特にブルーパフュームでは分球率が高く未開花球根の
発生も増えることになる。大きさを分別、大きい球根から優先的に使う。
据え置き栽培も試みが始まっている。

※登録品種であり、球根の譲渡は禁止