今回は、美里農場の育種(ブリーダー)のお仕事を紹介します。
フィールドチーム所属の新卒22年目、ブリーダーFさんの1日です。
Fさんはブリーダー兼部長のプレイングマネージャーです。
【8:00】出社&朝礼
朝礼では、ひとりずつ今日の仕事内容を報告してもらいます。
自分自身で仕事内容を確認するだけでなく、みんなと共有することも目的としています。
【9:00】スタッフへの今日の作業指示
育種に使用する植物の管理は重要な仕事です。
天候や植物の様子を考慮しながら、10名程度のスタッフに今日の作業を指示していきます。
【9:15】ユーストマ(トルコギキョウ)の生育調査
花が咲いていない時期から調査は始まっています。
軸の太さや葉の形、分枝する時期や枝数などの観察し記録していきます。
このデータが今後の選抜にも重要になってきます。
【10:30】オンラインミーティング
今日は新しいシステムに関するミーティングがありました。
美里農場(三重県四日市市)は本社(名古屋市)と離れているためオンラインでの参加もあります。
【12:00】お昼休み
毎日、お弁当をデスクで食べています。
ごはんの後は、午後からも体力勝負なことが多いのでしっかり休みをとります。
【13:00】アスター播種の準備
明日、アスターの種を播く予定のため、その準備を行います。
種の量を確認しながら、プラグに何列播いていくか綿密に計画します。
外でスムーズに作業するためには、種の確認やラベルの印刷などなど丁寧な準備は欠かせません。
【15:30】薬散
病害虫から植物を守るための大切な管理です。
【16:30】生産者さんへの状況確認
生産者さんに対して産地での生育状況の確認をおこないます。
試作品種や販売品種において、現場での生育状況や問題点などを教えていただくことも育種していく上で大切な情報となります。
【17:00】終礼&農場の見回り
終礼では、朝礼と同様に全員で集まり、本日行った業務の報告を行います。
その後は、農場で異常がないか見て回ります。
【18:00】退社
愛車のベスパで帰宅します。
休みの日は、ツーリングを楽しんだりしています。
【Fさんのコメント】
育種はまず「こんな形質の花を作りたい」など目標を立てて、それを達成するにはどのような育種素材が必要かを考えて、用意し交配するのですが自分が思い通りの形質を持った品種ができた時は、非常に充実感があります。
一方で個性的な特徴を持った個体が急に出現することもあり、その時は見たことがない形質に出会えた嬉しさでテンションが上がります。その特徴をどう生かして商品にまで繋げていくかを考えるのも好きです。
今調査しているユーストマは去年雌株と雄株を交配したものですが、実際に花が咲くときは自分がこの世で一番早く見られるという優越感と去年のテストの結果が発表されるというドキドキ感が入り混じります。
どんな花が咲くかわからないのでワクワクして休日の朝5時に目が覚めて農場に行き、咲いている花を見て回ったこともあります。
私の育種の目標としては、性質をアップデートさせた品種の開発に加えて、何か新しい価値観を提示できるような品種を作りたいと日々考えています。
【ブリーダーの仕事に興味のあるみなさんへ】
ブリーダーの仕事は誰にでもできると思いますが、生き物に対して興味があるという事は大切なように思います。また、結果が出るまで時間がかかる仕事なので忍耐やブレない思いは必要となります。
種苗会社のように利益を生み出すことが必要とされる育種においては、新しいものを生み出すための「人とは異なる感性」を持ちながらも、愛される商品を生み出すための「普通を理解できる感性」も同時に持つことが必要とされるように感じています。
いかがでしたでしょうか?
Fさんのおこなっている育種の仕事は、福花園のオリジナル品種を支える重要な仕事です。
「新しい品種」を作るという華やかな仕事のようですが、日々の地道な調査や作業の積み重ねであることがわかります。
また、年に何度もできる仕事ではないので失敗が許されない、また他社との競争に最も敏感になる精神的にもハードな仕事だと思います。
ただ、自分の作った品種が世の中を彩るというのは、何にも代えがたい魅力的なお仕事ではないでしょうか。
農場には、他に「種子生産」「苗生産」などのお仕事があります。
また紹介していきたいと思います!
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